Picture/ Lexus USA、Tokyo Drive Magazineスタッフ
Text/ Tokyo Drive Magazineスタッフ
実は北米でLexus IS Fに乗るのは今回が2回目。 前回はR35 GT-Rを街中はもちろん、峠や高速で散々乗り回した(まさに寝ないで走った)後だったから、正当な評価が出来なかったと判断。 GT-Rはプリプロダクションモデルで、リミッター付いてなかったしね。 ということで、今回2回目の借り出しとなった。
IS Fと言えばレクサス兄弟の末っ子であるISをベースに、Fパフォーマンス(日本ではレクサススポーツ“F”)としてLFA(東京モーターショーでデビューした最高速度325㌔+、V10で3,750万円のスーパーカー)とともにレクサスのスポーツパフォーマンス部門を担う看板的存在だ。
ラグジュアリーブランドの中で、スポーツパフォーマンス部門を担うIS F。
IS250とIS350という“ツルシのIS”と“F”との違いは、誤解を恐れず言えばおそらくほぼ全て。 エンジン、トランスミッション、サスペンション、空力に至るまで、その全てにチューニングが施されている事を考えると、“ツルシのIS”と“F”は全く別のクルマだと考えて間違いないだろう。 唯一共通点の見つかる外観や内装に至っても(後に紹介するが)Fである事を隠すことが出来ないエッセンスが落とし込まれている。 これはメルセデスにおけるAMG(ISセグメントの場合C63)、BMWにおけるM(同じくM3)、アウディにおけるS/RS(同じくS3)に置き換えられ、「すっごいスポーツカーを作ってやりたいんだけど、販売などのリスクを考えるとどうしても出来ないから、コンパクト4枚にゴツいエンジン積んで、足も固めて、空力も詰めて、吸排気も効率良くして同時にインテーク・エキゾーストノートもより官能的にしてやった!」というエンジニアの声が聞こえてくるような気がする。 それはIS Fに乗りアクセルを踏む込んでみたり、ステアリングを切ってみれば誰でも感じることが出来ると思う。 “ツルシのIS”と“F”との差、これがIS F開発陣の力なわけだし。
仮想敵として当然C63とM3を据えているだろうIS F。大御所に挑戦するチャレンジャー的な立ち位置。
まずIS Fを外から見てみて、当然ベースとなっているのはISシャシーだとわかるわけだが、そのアグレッシブなデザインのフロントバンパー、ボコッと盛り上がったフッド、大径ドリルドローターに噛みつく対向6ポッドキャリパー(フロント)、エンジンの熱気を逃がす役割を果たすサイドダクト、専用デザインとなる19インチ鍛造ホイール(と悪くないオフセット)、サスのセッティング(とそれに伴う車高、フェンダーとタイヤのディスタンス)、4本出しオーバルエキゾーストなど、目で見てわかる外観の違いからこのマシンが普通でないことは火を見るより明らか。 また、エンジンフッドの中に隠れる5L V8エンジンもオーラを纏うのに一役買っているだろう。
アグレッシブなフロントバンパーと盛り上がったエンジンフッドで、あからさまに普通のマシンではない事を主張する。
リア・サイドから見てみると、エンジンの熱を放出するサイドダクト、専用デザインの鍛造19インチホイール、そして心地良いエキゾーストノートを奏でる4本出しマフラーを見る事が出来る。
内装もベースこそISなものの、IS F専用デザインとなるセミバケット形状のドライバー/パッセンジャーシートをはじめ、シルバーカーボンの多用などラグジュアリーであり、スポーティーな演出が目立つ。
専用デザインとなるセミバケット状シート。 ホールド性も悪くない。
室内の様々なところに多用されるシルバーカーボン。 非常に目立つ。
スタートボタンを押しエンジンに火を入れると、ボォーと結構な重低音が室内に響く。 これはエンジンが温まった状態でもあまり変わらない。このような性格のクルマを買う人はマフラーの音量は気にならないんじゃないかとも思われるが、直管仕様のクルマを所有している筆者が(もちろん直管ほどではないが)うるさいと感じるのだから、気になる人はいるのではないかと思う。
個人的には一旦走り出してしまえばマフラーの音なんてウルサイほうがイイと思ってしまう。 特に3700~3800回転あたりから加速が鋭くなるのに合わせて音も変化し、ずっとパワーバンドに入れて走っていたくなる。
スポーツモードというのがあったので、てっきりサスペンションの減衰力調整機能だけだとおもったら、ギアチェンジのタイミングなども全く変わって驚いた。 そういえばフェラーリのレースモードとかもそうだっけ。 峠ではスポーツモードだと楽しくてしょうがない。 2速ホールドでタイトなコーナーを抜け、ストレートで3速へ。 ストレートエンドからブリッピングして2速でまたコーナーを抜けていく。 はっきり言って、とにかく運転しているのが楽しくてしょうがない。 今日が終わったら、また明日も峠を走りたい、そう思わせてくれるクルマだ。
峠では断然スポーツモードで走りたい。
ペダルも当然スポーツ仕様。
日本での価格は780万円ということで、当然安いクルマではない。 サーキットでスポーツ走行を出来る上、それなりの場に乗って行っても恥ずかしくない。 この辺はクルマで遊ぶことを知っている人たちがM3やポルシェを選ぶのと似ているのかもしれない。 そのセグメントに、やっと入ってこれる日本車が出てきたということなのかもしれない。 ステアリングフィール、エンジン特性、シートのホールド性、そして視界に入るシルバーカーボンなどから、街乗りしているだけでも特別なクルマに乗っていると実感させてくれるIS F。 普段の生活をスポイルせずに、クルマで走るという楽しみを提案してくれているのだと思う。






