Text/トーキョードライブスタッフ TOKYODRIVE Staff
Photo/レクサス Lexus
メルセデスで言うところのS・E・Cクラス、BMWの7・5・3シリーズ、そしてアウディの8・6・4モデルのように、レクサスも最上級モデルのLSを筆頭に、よりスポーツ感を出したGS、そしてコンパクトなISをラインアップしている。
今回乗ったのはレクサスの中で最も小さなISだ。 メルセデスのCクラス、BMWの3シリーズに相当するISは主にヤングリッチ層、そして女性ユーザーをターゲットとした存在だ。
実際、そのコンパクトなボディサイズは街中での取り回しに都合が良く、また旋回性も非常に高いのであまり運転が得意でないドライバーにとっても、とても扱いやすい車だろう。
しかし、レクサスIS350はただの通勤クルマ、ましてや買い物専用の車ではない。 レクサス特有の『妥協なきこだわり』がぎっしりと詰まっているのだ。 その一例が空力だ。 サーキットを走るレーシングカーには無くてはならないものながら、一般車には到底必要ないだろうとされる空力。 ましてや目に見えないその性能を、レクサスはこだわり、このISに反映させたのである。 レーシングカーはダウンフォースを使い、車を路面へと押さえつけ、グリップ力を稼ぐのが当然であるのに対し、一般車で空力・ダウンフォースのことを考えて作られている車はそう多くは無い(日産スカイラインGT-Rはその一例)。 その点、ISは床下の空力デザインにより、一般車としてはほぼ最高と言えるほどのダウンフォースを得ることに成功しているのだ。 実際、開発の時点でISの空力を担当したエンジニア・谷川祐治氏は現在、ドイツはケルンにあるトヨタモータースポーツGmbHにてトヨタのF1マシンの開発に関わっているという。
さて、ISに一旦乗り込むと、やはりそのコンパクトさがまず体を通じて伝わってくる。 特に筆者は普段からレクサスLS, そしてGSに乗りなれているので、ISのサイズは非常に顕著に感じた。 しかしながら、日常ISを乗るにあたってそのサイズは十分でないか?と問われれば、その答えはノーである。 ISのサイズを表現する場合、『小さい』ではなく、『大きすぎない』と表現するのがベストであろう。 また、空力を重視した結果なのか、Aピラーの傾斜角が非常に低いことも挙げられるが、これもさほど気にするほどではない。 インテリアで唯一気になったのが、リアシートのスペースだ。 大柄の人が前席に座った場合、後席には足の置き場は無いと思ったほうが賢明であろう。 一方、トランクスペースは今の車らしく、非常に大きい。 一クラス、そして二クラス上のサイズになるLSやGSと比較しても、それぞれのハイブリッドモデルと比べた場合、ISのトランク容量のほうが圧倒的に勝っているのだ。
他に特筆すべき点と言えば、やはりパドルシフトだろう。 シフトレバーを一旦『S(シーケンシャル)』に入れれば、あとはシフトレバーをアップ(シフトアップ)・ダウン(シフトダウン)させるだけで自由にギアのチェンジが出来る。 また、ステアリング裏にあるパドルシフトスイッチを使えば、両手をステアリングから離さずにシフトチェンジが可能なのだ。
さて、IS350の『最大の売りは何か』と聞かれたら、筆者は迷いなくその『スポーツ走行性』答えるであろう。 それはパドルシフトの操作性から来るものであり、大きすぎないサイズから来るものであり、またこだわりから生まれた空力から来るものかもしれない。
IS350は、一旦ドライバーシートに座り込めば、どこまでも運転して行きたくなってしまうような、運転するのが最高に楽しいクルマなのである。


