『Best Handling Z. Ever』日産350Z Version NISMO 北米仕様に乗った。
日本ではエンジンがボアアップされた380RSが話題だが、北米で発売されているのはレギュラーエンジンを搭載した普通のVersion NISMOのみ。 その実力を高速道路と峠でテストした。
Text: トーキョードライブ スタッフ TOKYODRIVE.TV Staff
Picture: トーキョードライブ スタッフ TOKYODRIVE.TV Staff
日産 NISMO 350Zを目の当たりにして、まず目に付くのはそのルックス。 一般車とはもちろんのこと、普通の350Zとも明らかに一線を画すその大胆なデザインのエアロパーツ。
フロントバンパーは明らかに空力を重視したロングノーズ+必要最小限の開口部で非常にフローレスだ。 リアバンパーは攻撃的で、ディフィーザーが付いた姿はまんまGTカーと言っても過言ではない。
さて、この350Z Version NISMO(北米での正式名称は『NISMO 350Z』)は、エンジンは普通の350Zと同じ3.5リッター DOHCのV6だ。 つまり、この車の凄さはエンジンには無い、ということ。
とくれば、次に思い浮かぶのは、当然、ボディーだ。
メーカーからもらった資料を読んでいて、1つだけ意味がわからないものがあった。
『NISMO-tuned Unique Designed Front & Rear Body Dampers』 ボディ・ダンパーとある。 初め、サスペンションのことかと思ったが、ボディ・ダンパーという言い回しは変だし、何しろサスペンションの表記は他にあった。
ちょっと調べてみると、なんとボディの前と後ろにダンパーが設置されているではないか。 筆者はこのような車は見た事も乗った事もなかったので、初めてこの事を知った時はいささか驚いた。
他にもAピラーへの補強溶接追加、リアストラットには補強パネル、ボンネットには補強バーなど、とにかくボディ剛性アップにこだわっているようだ。 さらに、Rays製の軽量ホイールとNISMOのサスペンションで足回りを強化、というパッケージングだ。
つまり、エンジンは普通の350Zと一緒だけど、アグレッシブなエアロを巻いて、ボディを補強して、いいタイヤ履いて、サスも強化してますよ、ということらしい。
(↑)目を引かれるド派手なリアビュー。 大型のディフューザーとマフラー、さらにリアウィングの追加で、街中では浮くほどの注目度だ。
エンジンがノーマルということで、エンジンパワーや加速感にはあまり期待しないで乗ってみると、予想通り、エンジンはそれほど元気とは言えない。 1速でレッドゾーン近くまで引っ張り、2速へと。 高回転では回ってくれるが、やはり速くはない。 自慢のボディ剛性も100㌔までの加速では特に体感できるものではなかった。
しかし、だ。 一旦高速道路に乗り、160㌔以上でのクルーズ、そして旋回をしてみると、なかなかどうして、これが非常に良い。 ボディ剛性の強化は確実に効いているし、サスも良く動いてくれる。 こんなに安心して高速域を『楽しめる』クルマはなかなか無い(ただ速いだけのクルマなら、いくらでもあるが)。
(↑)実際に相当の効果があるというリアディフューザーにはネットが張られている。 レーシーな演出もこのクルマには大事なのだろう。
高速域が最高に楽しいことはわかったので、100㌔以下のワインディングが続く峠道にNISMO 350Zを連れ込んでみた。 ボディも足も相変わらず良いのだろうが、やはりエンジンパワー、というより、エンジン特性が峠などの低速で遊ぶ用にはセットアップされていないのだろう、タルくて面白くない。 NAでこんなにタルくてどうするのだ。 筆者は特にNAならばチューンドVテックのような、ターボであってもロータリーのような、バンバン回るエンジンが好みなので、町乗り仕様の3.5リッター V6にダラダラと回られたら、いくらボディ剛性が高くても、サスが硬くても、タイヤのグリップが高くても、峠では全然楽しくない。
(↑)ホイールはレイズ製で、フロント18x9、リア19x10となり、タイヤはブリジストン ポテンザ RE050Aで、フロント245/40/18、リア265/35/19となる。
やはり、このクルマはグランツーリスモだ。 舞台は高速域なのだ。 開発陣はそう思っていないかもしれないが、筆者はそう言い切ってしまう。 5速巡航、4速へと落とし、またそこから5、そしてトップギアの6速まで上げていく。 結局は4速と5速でどこまで引っ張れるかが6速での速度に関係してくるのだが、まぁとにかく4速、5速で遊んでいる分には十分面白いし、十分速い。
高いボディ剛性、ニスモ・チューンの足回り、バネ下重量を大幅に軽減させている軽量高剛性ホイール、そして空力の面などから、NISMO 350Zは高速域が最高に楽しいクルマだった。 もっとも、筆者が買ったとしたならば、速攻でターボにして最高速やゼロヨンに繰り出すだろう。
(↑)Version NISMO 380RSの北米での発売にも期待がかかる。




